人から褒められた時に、どう反応しますか? 〜自己否定をしてしまう人へ〜

人に褒められた時の反応は、ある程度のパターンがあり、そこにその人の持つ人間性が現れています。

人から褒められた時に、ちょっとした卑下や自己否定で返すパターンを持っている人が多くいます。
その、ちょっとした自己否定をやめる事で、自分を認められる事にプラスにつながります。

常に等身大の自分でいる事の大切さ

人に褒められた時、その後に続く会話は、大まかには「認める」か「否定する」かどちらかのパターンかと思います。

認める場合

このパターンが一番健全な反応です。
相手が認めてくれたことを、自分も認めてプラスにするのが最善です。

承認欲求は他者承認から自己承認へとつなげるのが、自分を高めるのに必要なプロセスです。

ただし、過剰に反応して、自分を極端に大きく見せつけるのは、もちろん良くありません。
自分の能力がないのに、見栄を張るために自分を大きく見せる必要はそもそもありません。
できないことはできないでいいし、偶然であれば偶然でもいいし、等身大の自分を認識する事が大切なんです。

自分の能力と自分が主張する能力に差があってはいけません。
そこの差が大きければ大きいほど、どこかで皺寄せが来ます。
現実的な人間関係にも影響しますし、自分自身の心にも影響します。

否定する場合

人として小さく見せてしまっている状態です。
非常にこれをしている人が多いのですが、自分を極端に大きく見せるのと同じくらい、自分を下に見せるのも良くありません。
自分を下に見せる事により、人をコントロールする心理が働いている場合がほとんどです。

「能力がないので、私にはできません」
は、相手に要望を諦めてもらう意図があります。

素敵ですねと言われて、「そんな事ないですよ」
は、それ以上関わってくるなの意図があり、少なからず相手の拒否を行なっています。

否定の反応は、自分の中で無意識に隠れた意図があって行なっています。
否定することは、他人の気持ちも自分の気持ちも否定する事になってしまいます。

アドラー心理学では褒める行為を認めていない

心理学の一つ、アドラー心理学では、褒める、叱るという行為を否定しています。

褒めるという行為は、それによって上下関係を生み、それを相手に認めさせる行為でもあります。
褒めて育てる子育てを行なってきた場合、それが積み重なり行動の目的が褒められる事のみとなってしまい、結果的に承認欲求を満たすためにしか行動できなくなってしまいます。
同様に叱る事も、同じような結果を生みます。
叱られないためにしか行動できない、または何も行動できなくなってしまいます。
人の行動に影響を及ぼす安易な、褒める、叱るの行動は、人の気持ちを歪ませてしまいます。
特に幼少期にそのパターンの中で生活を続けていた場合、その影響はかなり大きいです。

上下関係は悪

人と人の間に能力の差があるのは事実です。
何かの目標に向かって動いている場合にはその能力の差によって、有利不利は出来てしまいます。
上下という表現が適切ではないのかもしれませんが、実際にそのような状況にあるにもかかわらず、そこで差を考慮しないのはデメリットでしかありません。
適切な上下関係は、物事をスムーズに展開させるためには必要です。

上下関係が良くない場面は、それにより強制力が発生する場合です。
それは、意識的でなく、無意識のうちに行われた場合でも、影響力を発揮します。

褒める事がプラスに働く唯一の方法

褒めるという行動が、健全に働くパターンはそれが、個人的な意見である場合です。
褒めるという事の背景に『社会的に良い』という植え付けがあるのが良くないのです。
『社会的』ではなく『個人的に』というスタンスを持つ事が大切です。

「あなたは(社会的に)良いことをした」
ではなく
「それをしてくれることで、(私は)嬉しかった。/助かった。」
のように、個人的な反応だけを伝える必要があります。

褒める行為は正しく利用しよう

人を褒めるということは、円滑なコミュニケーションを生みます。
相手の気分を良くしてあげる事ができます。
誰にも認められないなら、努力は必要なく、進歩や進化はなくなってしまします。

認められたいから、頑張れる、挑戦できるという側面もあります。
健全な他者承認は力になります。

誰だって、自分の能力は半信半疑です。
不安だし、誰かに後押ししてもらいたい、安心感を得たいものなんです。

人生の目標はより多くの時間で、幸福感、満足感、充実感を得て過ごすことだと思います。

褒める時は、コントロールしないこと、されないこと。
自分の価値基準を他人に委ねず自己判断することが大切です。

褒められた時にはありがとうを

そもそも、ちゃんとありがとうと言えますか?
人によっては、素直にありがとうが伝えられない人もいます。
ありがとうは大切な言葉です。

基本的に、褒められた時はありがとうだけでいいんです。
褒められたら褒められたで、それ以上にもそれ以下にもしなくていいんです。

人から褒められた時は否定や卑下をせず、何も考えず、ありがとうと笑顔で返す。
相手は、自分のことを認めてくれているんです。
恥ずかしがらずに、素直に喜べばいいんです。

素直なありがとうを意識してみて、習慣にしてみてください。
少しでも、より良い生活に繋がるはずです。

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